統合失調症

統合失調症とは

統合失調症は、思春期から青年期の10代から30代の期間で発症することが多く、幻聴や妄想といった多彩な症状があらわれる疾患です。およそ100人に1人に認められる比較的頻度の高い疾患であり、具体的には「その場に居ない人の声や自分への悪口が聞こえる(幻聴)」、「自分のとる行動の指摘や考えへのコメントなどが聞こえる(幻聴)」、「誰かに見張られている(妄想)」「命を狙われている(妄想)」、「大きな力で自分が動かされている(妄想)」などの様々な症状がみられます。
内服治療を適切におこない、継続していくことで、幻覚や妄想といった症状と上手く付き合っていく事ができれば、生活も安定し、心身が落ち着くとともに経過が良好となります。

統合失調症の主な症状

統合失調症の症状は「陽性症状」、「陰性症状」、「認知機能障害」の3つに分類されます。

陽性症状 (健康な人には無いものが有る:陽性)

妄想や幻覚などの症状があらわれます。

  • 誰かと会話する様な独り言が多い
  • 監視や盗聴をされていると感じる
  • 尾行されている、命を狙われていると思う
  • 命令する声が聞こえる
  • 悪口を言われていると感じる
  • 実際にいないものが見える

など

陰性症状 (健康な人には有るものが無い:陰性)

感情障害、意欲障害、社会性障害などの症状があらわれます。

  • 表情が乏しくなる
  • 感情の変化が乏しくなる
  • 感情が場面と不調和になる
  • 口数が減る
  • 能動性が低下する
  • 以前夢中になったことにも興味を持たなくなる
  • 閉じ籠もり
  • 疎通性や社会性が消失する

など

認知機能障害

常に過敏状態であることで疲弊し、記憶力の低下や注意力、集中力の低下、判断力の低下などの症状が見られます。

  • 本を最後まで読めない
  • 指示通りに物事を進めることが困難となる
  • 単純作業をこなすことが難しい
  • 気持ちや考えを集中することが難しい

など

統合失調症の病型

統合失調症は主にあらわれる症状や経過によって、破瓜型、緊張型、妄想型に分類することができます。

破瓜型(はか型)

破瓜型は、主に思春期から青年期に発病することが多く、症状は「喜怒哀楽などの感情が消失する、感情の平板化」、「意欲の低下」、「発動性の低下」などの症状があらわれ、長く続きやすい傾向にあります。

緊張型

緊張型は主に青年期の20歳前後に発病することが多く、症状は「急に大声を出して叫ぶ」激しい興奮状態と、「周囲に対しての反応が極端に鈍くなる」昏迷状態という正反対の症状があらわれます。これらの症状は数ヶ月程度で消失しますが、一度発症すると再発を繰り返しやすいのが特徴です。

妄想型

妄想型は他の病型に比べ発症年齢が遅く、30代前後に発症しやすく、幻覚や妄想などの症状があらわれますが、それ以外の症状を認めることは少なく、社会でのコミュニケーションは円滑に保たれており、周囲の人からは病気と思われない場合が多いのも特徴の一つです。妄想型は一般的に破瓜型、緊張型の統合失調症に比べ、治療効果や治療経過が良好です。

脳神経ネットワークで起こっていること

脳神経ネットワーク自体は壊れておらず、神経同士のつなぎ目のスキマ(シナプス間隙)で神経伝達物質の量が変化していることで、脳神経細胞間の信号伝達に異常をきたし、結果として多彩な症状を呈しているとされています。
中脳辺縁系では、ドーパミンが過剰に放出されており、受容体が過剰な信号を受け取ることで、本来は無いはずの誤信号を受け取ることとなり、陽性症状(幻覚、妄想、自我障害)を生じます。自我障害には、考想化声(自分の考えが声になって聞こえる)、思考伝播(自分の考えが皆に筒抜けになっていると感じる)、思考吹入(他人の考えが自分に入ってくる)、作為体験(自分の身体が乗っ取られたように感じる)などがあります。
中脳皮質系では、ドーパミンが不足しており、外部からの情報を受け取る際に、情報の取り込み、記録、再生の処理プロセスで異常を生じます。その結果、注意力、記憶力、学習能力、遂行能力が低下し、陰性症状や認知機能障害をきたすとされています。

統合失調症の治療

統合失調症の治療では、症状をコントロールしていくために内服治療をおこないます。主にシナプスでドーパミンの量的異常を改善する様に作られており、内服を継続していると量的異常が改善した状況となるため、症状が和らぎますが、内服を中止すると症状が戻ってしまうことが多いです。長期にわたってじっくりと薬剤調整をおこなうことが大切とされています。とはいえ、内服薬はコントロールのための道具であり、薬に支配されているわけではなく、あくまで治療の主役や主体は患者さまです。ただ、御自身の症状が治療可能な病気の症状であると認識することが困難であり、治療開始や継続が難しいのも疾患の特徴です。現時点で、患者さま自身が体験している世界が苦しい状況であっても、思い切って受診することから、適切な内服治療を開始し継続することで、引きこもり的な生活から社会性を獲得して一般就労に至る方も多いです。「これは現実とは異なるものだから無視する」という風に、幻覚や妄想などの症状と上手く付き合えるように気持ちや行動をコントロールできれば、それぞれ持っておられる能力を活かして、明るい生活を送ることも可能です。副作用が少なく作られた内服もありますので、症状に悩んで、受診を迷っておられる場合も、早々に医療機関へ受診して診断治療を開始する事をお勧めします。初めての受診にはハードルが高いかもしれませんが、脳画像診断含め、専門的心理検査を要する場合もあり、単科精神科などの専門病院受診から治療開始することをお勧め致します。

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