TMS治療が検討されるべき状況や、当院での導入方法、一般的な注意点などについて記載いたします。
TMS治療はどんな人におすすめ?
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抗うつ薬の効果が十分ではない方
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抗うつ薬の副作用で悩んでいる、または副作用が怖くて薬を飲みたくない方
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妊娠や授乳を希望しており、抗うつ薬の服用に慎重な方
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できるだけ早く症状を改善し、社会復帰を目指したい方
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西洋薬による薬物療法以外の治療法を検討している方
当院でTMS治療をはじめる具体的な流れ
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WEB問診入力: まずは当院HPにあります「当院を初めて受診される方へ」のWEB問診に入力をお願いします。治療希望内容を選ぶ際に「TMS治療」を御選択いただくと、質問の終盤でTMS治療の説明などの項目に飛びます。担当医が記入された病状などを精査させていただき、TMS治療をおこなえると判断した場合には受診日などのご連絡をいたします。
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初診、治療方針の共有:TMS治療担当医師による診察を受け、総合的にTMS治療が適しているかどうかを最終決定します。治療適応となった場合、患者さんの症状や御都合にあわせて、大まかな治療頻度や期間などの最適プランを検討します。
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治療開始:専用の椅子にリラックスして座っていただき、頭部にコイルを当てて磁気刺激治療をおこないます。痛みや不快感はほとんどないですが、おっしゃっていただけると直ぐに対応します。治療中に質問などの会話をすることも可能です。
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経過観察:次回受診時までにWEB問診を入力していただき、その後の経過として、治療の効果や体調の変化を定期的に確認しながら、必要に応じて治療計画を調整しつつ、症状の改善を目指します。
適時には治療終結や維持療法(よい精神状態を維持する為に間隔を開けてTMS治療をおこなう)に移行していきます。
知っておきたい注意点
多くのメリットがあるTMS治療ですが、注意点もあります。
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保険適用外の自由診療: 現在「うつ病」「うつ状態」に対する通院型のTMS治療は、保険適用外の自由診療となります。そのため、費用は全額自己負担となります。
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効果の個人差: 全ての人に同じように劇的な効果が現れるわけではなく、改善の早さや効果の程度には個人差があります。
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受けられない場合もある: 心臓ペースメーカーや人工内耳、脳内や体内に金属クリップが留置されている方など、体内に機械や金属が留置されている場合は、安全性の観点から治療を受けられない可能性が高いです。また、脳器質に手術を要する損傷の既往がある方や、意識消失やてんかん発作の治療歴のある方および治療中の方などは、てんかん発作の誘発されるリスクが高いため、TMS治療はおこなうとしても、外来通院型ではなく、入院での治療が検討されます。
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安静保持が必要:施術中は刺激部位が決まっているので、大きく動くことは出来ません。10分程度の姿勢保持が出来る方しか、安全で効果的な治療をおこなうことが出来ません。とはいえ力まずに、リラックスして椅子にじっともたれていただくのみの対応で大丈夫です。
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磁気を使う治療:MRI検査時と同様に、カラーコンタクトやタトゥーなど磁気が加わることで熱を帯び火傷に至る可能性がある場合は治療できないこともあります。施行時には、火傷防止などのため、ネックレスやイヤリング、髪留めなどの金属を外していただきます。携帯電話や電子機器、情報記憶媒体や時計など、磁気で情報喪失や機器エラーを起こすものなど、配置や紛失など自己責任として管理していただきます。